ICOを評価する方法

ICOが実現する可能性を評価する際に、助言を求められることがよくあります。

私は時折ICOに参加することがありますが、それを投資だとは考えていないことをお伝えしておいた方が良いでしょう。どちらかというとクラウドファンディングだと考えており、暗号通貨の世界をこれからより良いものにすると信じられるプロジェクトに参加しています。

私がICOを評価する際の方法を、Tech(技術)、Timeline(タイムライン、計画)、Team(チーム)、Token(トークン)のTを取って「4つのT」と呼んでいます。

Tech(技術)

「4つのT」の中でも一番重要なのがTech、技術です。プロジェクト内で使われる技術を評価すると同時に、このプロジェクトがそもそも取り組む価値のある課題を解決できるかを見極めねばなりません。

取り組む価値があるかどうかの判断基準はとてもシンプルで、一般大衆がこれまで何かを使うか否かを決める際に無意識に判断基準となっていることです。より早いか、より安いか、より面倒が少ないか、既存のものよりUIが改善されているか(技術的に進んでいるか、分散管理か、非公開かといったことよりも)、などです。その技術の市場は拡大しているでしょうか?そうでなければ、私はそのプロジェクトには参加しません。

Timeline(タイムライン、計画)

次はタイムラインです。プロトタイプはできているでしょうか?もしくは、いつできるのでしょうか?商品はいつリリースされるのでしょうか?私個人的には、プロトタイプがないプロジェクトには参加しません。プロトタイプすらないプロジェクトは、単に絵に描いた餅に過ぎないからです。

また、チームがうまく協力して仕事を進められるということも、とても重要です。ほとんどのICOチームはプロジェクト達成よりもむしろICOを成功させる目的で編成されるため、一緒に働いたり、ともにコードをデプロイしたりする経験が全くない場合もあります。プロトタイプがあると、チームメンバーがすでに一緒に働いた経験があるとわかるので安心できます。

Team(チーム)

チームを調べるために私はビジネス向けSNSのLinkedInプロフィールを閲覧します。ただ、日本、韓国、中国ではLinkedInがあまり浸透していません。日本では、ビジネス上のつながりのためにはFacebookの方がより使われています。Linkedinはアジアの言語に適切にローカライズされておらず、経験上思うのは、真のロックスターはリクルーターからのメッセージが殺到してしまうためLinkedinを使いません。

Linkedinではチームメンバーのプロフィールを閲覧し、起業家を探します。そして、彼らが立ち上げた企業を検索し、今のチームメンバーが過去に一緒に働いていたかを調べます。その場合は彼らが仕事を協力してうまく進められることを示唆しています。その後FacebookやTwitterのプロフィールを検索し、より多くの情報を得ながら、彼らが戦略を実行に移していけるかどうかを考えるヒントを得ます。このプロセスには3、4日程度かかります。

Token(トークン)

この情報は多くの場合ホワイトペーパーに記載されていますが、ホワイトペーパーの書き方には基準となるフォーマットがないため、独自に分析する必要があります。

トークンの発行予定総額はいくらでしょうか?そのうち、どれだけを開発者が保持し、どれだけをICOで販売する予定なのでしょうか?需要を拡大するために、トークンにはどのような使用法が与えられるのでしょうか?プロジェクトにとってトークンが本当に必要かどうか、私は気にしていません。技術的に取って代わるものがある可能性があっても、トークンを作るという投資に対して大きな見返りがあるからです。

  1. 自身のトークンを持っていることで、イーサリアムと対比する形であなたのネットワークの価値をコントロールすることができます。もしビジネスが順調に進みメディアにバズを生み出したい場合、イーサリアムの価格が停滞、もしくは下がっても、あなたのトークンの価値は上がる可能性があります。
  2. あなたのネットワークに流動性資産を提供する必要がある際に、トークンがあればそれが可能になります。
  3. イヤホンは誰でも一つや二つ持っていそうなものですが、それでもAppleはiPhoneのパッケージに必ず白いイヤホンを同梱します。このイヤホンがあることで、AppleユーザーはAppleファミリーの一員であると示すことができるようになります。あなたのトークンがあれば、あなたのプロジェクトのファンはファミリーの一員になることができるのです。
  4. Airdrop*です。あなたの「ファミリー」メンバーを容易に特定し、Airdropすることで褒賞を与えることができます。

*Airdropはお金を封筒に入れて、誰かの郵便受けに入れるようなものです。

「なぜ自分のトークンが必要なのか?」

これは、「ドルがあるのになぜ暗号通貨が必要なのか」という質問や、「イーサリアムがあるのになぜNEOが必要なのか」という質問、「なぜ2種類の白いパンが必要か」、「なぜアイスクリームの味が31種類も必要か(例えば、なぜチョコチップミントがあるのか)」と言った質問と同じようなものです。

なぜ他にも安全に行えるクラウドファンディングの手段があるにもかかわらず、そもそもICOが必要なのか?

「なぜ機能するプロトタイプがないのか?」や「なぜ分散管理取引商品を作っているのに、金融取引で働いた経験がある人が一人もいないのか?」などの方が、より的を射た質問だと個人的には思います。

以上が、私はICOを評価する際や参加する際に基準としている「4つのT」と、おまけとして最後には好きに色々と言ってみました。一部でも皆さんの役に立つと嬉しいです。

 

abasa
Dec, 17


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