ICOをする方法:ステップ1 – ビジネスアイディアをまとめる

スタートアップ企業は従来、ベンチャー投資家に自分たちのアイディアをプレゼンして資金調達を行っていました。アメリカで人気のテレビ番組『Shark Tank』のような方法です。今日では、多くのスタートアップ企業がそれに代わる資金調達の方法としてICO(イニシャル・コイン・オファリング)に注目しています

ICOは、一般的にブロックチェーンにもとづく技術を使用する企業に適しています。ブロックチェーンにもとづく技術を使用していれば、暗号通貨(仮想通貨)の未来を信じる投資家たちが、暗号通貨の市場拡大のためあなたのICOの手助けをしてくれるでしょう。一方、ビジネスアイディアがブロックチェーンと親和性のないものだと投資家たちはあなたのICOに魅力を感じないでしょう。

ICOをするにあたり必要なものは、ブロックチェーンと親和性の高いビジネスアイディアに加えていくつかあります。一緒に働くチームがその一つです。そして、あなたが考えているビジネス分野を得意とするアドバイザー、弁護士も必要です。ICOを行った経験のある人が最低でも1人いると良いでしょう。

ICO実施における、いくつかの側面を見てみましょう。

あなたの商品は何か?

商品こそが、あなたの企業の最も重要な側面であり、あなたのトークン(ICOで販売する暗号通貨)が長く生き残るためのカギです。商品力がなければビジネスは成り立ちません。

また、「トークンを販売する」ことが目的化しているICOの実施はお勧めしません。ICO実施には多くの挑戦や困難が伴ううえ、実施できたとしてもトークン販売が最終目的の場合、長期的に見るとあなたの評判を落とす可能性があるからです。

ブロックチェーンの一次的な使用方法の一つに、中央管理者不在で変更履歴を残すことがあります。個人情報や商取引を中心としたビジネス、例えば支払い、医療、サプライチェーン管理などにおいてブロックチェーン技術は適しています。暗号通貨を顧客に対するインセンティブとして使うこともできます。例えば、SNS上では、ユーザーがあなたの投稿を「いいね!」するたびに、「いいね!」が暗号通貨のようにあなたの元に送られます。

ブロックチェーンに対するあなたの理解が高まるほど、より面白いビジネスアイディアを思いつくことができるでしょう。またブロックチェーン以外の技術でも成り立ちそうなビジネスアイディアでも、ブロックチェーンを盛り込むことができる場合もあります。

チームメンバーは揃っているか?

ICOには、各分野での精鋭を集めたチームで取り組む価値があります。現在のチームメンバーは誰か、また成功させるために誰を加えるべきなのかを考えてみましょう。中核メンバーとして必要なのは、CEOCTOCMO、そしてCDOです。動き出す前に、チームメンバーにはこれから何に向かっていこうとしているのかを明確に共有することをお勧めします。ICOを行う際、最初の6か月間は毎日12時間、週末も休みなく稼動することが想定されるからです(ZILLAICOの際に112時間で済んでいたら良かったのですが!)。

  • CEO例えばですが、CEOはカーレースの世界なら「私はなかなか良い運転手だな。自分のレーシングチームを作るぞ」と言うタイプの人間です。CEOは機会を見つけ、物事をまとめ、チームをゴールに向かって導くために鼓舞する存在です。代表的なイメージとしてはスティーブ・ジョブスが挙げられます。CEOは万能型で、ブロックチェーンや他の工学概念、マーケティング、デザイン、営業について理解している必要があります。スタートアップ企業のCEOの給料は一般的に極めて低いのですが、この点はまた別の機会にお話できればと思います
  • CTOカーレースの世界に例えるなら、CTOはレースカーの設計士の位置付けになります。CTOは企業のミッションを達成するため求められる技術について考えます。ブロックチェーンについての知識を持ち、フロントエンド、バックエンドのエンジニアをまとめる能力も必要です。
    プロジェクトの規模に応じ、必要なエンジニアの人数は310人程度です。優れたブロックチェーンエンジニアをチームに呼び込むのは容易ではありません。彼らを惹きつけられるだけの魅力的なビジネスアイディアを用意しましょう。
    エンジニアの人件費は1か月あたり約110万円以上、年間で1,300万円~2,200万円程度を見積もっておくと良いでしょう。
  • CMO—CMOをカーレースの世界で例えるなら、レーシングチームの宣伝担当に当たります。マーケティングの知識はCMOのみならずCEOも同様に持っておくべきです。私自身マーケティングの知識はあり、自分自身がこの分野で特段優れているとは思いませんが、戦略をまとめ計画に沿って実行することはできます。CMOは、包括的なマーケティング戦略を作り出し、SNSPR、コンテントマーケター、コミュニティマネジャーらをまとめる存在です。クラウドファンディングのキャンペーンでは最も重要な人物となります。イベント企画、データ収集、またマーケティング戦略の調整も求められます。人件費は年間1,300万円~2,200万円程度を見積もりましょう。
  • CDOマーケティング戦略、技術、デザインを結びつける存在です。デザイナー13名を取りまとめ、ウェブサイト、SNS投稿などに企業、プロジェクトの価値をデザインで反映します。できるだけ多くの人にクラウドセールに参加してもらえるよう、見た目の美しさのみならず、UXの観点からも洗練されたデザインが求められます。こちらも、人件費は年間1,300万円~2,200万円程度を見積もりましょう。

プロジェクトを設計する

ビジネスアイディアとチームメンバーが揃ったら、やっと動き出すことができます。プラットフォームのデザインと構築を進めるに当たり、またトークンの位置付けを決めるにあたり、いくつか考えておきたいことがあります。

こちらの項目です。

  • あなたのトークントークンを作るということは、取引可能な、なんらかの役に立つ価値を生み出すということです。考えられる用途は、ポイント、IOU、デジタル通貨、またゲーム内購入など様々です。ビットコインのあり方をなぞる必要はありません。ただ、トークンが現実の通貨であることは間違いありません。
  • あなたのトークンを作るプラットフォームあなたのトークンの位置付けが決まったら、トークンを作るプラットフォームを決めましょう。人気の高いイーサリアムに加え、NEO、ステラ、NEMなど、他にも使えるプラットフォームがあります。
  • ホワイトペーパーホワイトペーパー(白書)は、デジタル時代のビジネス計画書であり、ICOを行なう上で重要な第一歩です。ホワイトペーパーには全ての情報が詳細に記載されていなければなりません。商品の技術的な側面、現在解決しようとしている課題、提供できる価値、スケジュール、チームメンバーなどです。また、マーケティング計画やトークンの分配戦略、また商品を作る過程での主要な段階などを明記します。
  • マーケティングよく練り込まれたマーケティング計画も必要です。キャンペーンにはSNSを使った強力な後押し、メディアパブリシティ、ゲストによるブログ記事、インフルエンサーマーケティング、講演会などが含まれます。ICOを行なうということは、他者とつながり人々に伝え理解してもらうことです。

ブロックチェーンを使用したサービスを理解してもらうためには、十分以上な説明と、コンテンツマーケティングやインフルエンサーによる発信が必要です。目玉となる発表以外の比較的小規模な発表やメッセージの発信には、包括的にSNSを使うと良いでしょう。

アドバイザー

ブロックチェーンビジネスをする上で、アドバイザーは重要な存在です。アドバイザーの存在が、プロジェクトに信頼と経験をもたらす鍵となります。ICOは新しく、明確な実施方法はまだ確立されていません。そのため、アドバイザーの存在に価値があるのです。

ICOに携わったことがある人なら、そのICOをスムーズに進める手助けをしてくれるでしょう。またプロジェクトに対して助言や指導をしながら、アイディアを精査し、サービスを市場に紹介し、クラウドセール構築を助け、またあなたを投資家に紹介してくれます。アドバイザーには通常、資金調達で集まった額の15%の費用を支払います。

今回のまとめ

ICOの登場により、資金調達の方法は変化しています。しかしICOの実施には必要な準備が山のようにあります。

まず揃えるのは、精鋭の集うチーム、使用する技術の決定、抜け目ないマーケティング戦略、精巧にデザインされたランディングページです。

中核となるチームメンバーを揃え作業に取り掛かり始めると、アドバイザーがあなたのプロジェクトを聞きつけ興味を持つでしょう。そこから(多大な労力を費やしコネクションを築いた後)、インフルエンサーがあなたのプロジェクトについて発信し始めます。そこから、億単位での資金調達への第一歩が始まるのです。

ステップ 2 –ホワイトペーパーの書き方はこちらから。

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