ICOをする方法:ステップ8 – 技術チームのためのICOチェックリスト

これはICOを行う際の、技術者チーム向けのアプリ/サイト制作チェックリストです。

備考:リストの項目のうちいくつかは、ERC20トークンを使ったICOの際にのみ該当するないようです。残りの項目はすべてのICOに当てはまります。

1) ICO アプリ

ICOアプリに求められる機能は以下の通りです。

  1. ICO参加者のKYC(顧客確認)を行います。顧客確認の程度や範囲は、あなたの弁護士により決定されます。KYCサービスを提供する企業は数多く存在し(私たちはTrustdockを使っています)ますが、情報を集め、保管し、承認/拒否するシステムはあなたのチームで作らなければなりません。その後、顧客情報と顧客の暗号通貨アドレスを紐付けし、そのアドレスからのみICO参加を許可するのです。
  2. デザイナーを雇い、ユーザーにとって使いやすいUXのアプリ/フォームを作りましょう。これを避けることはできません。UI/UXデザイナーを雇いましょう。
  3. 国際的に対応可能であることも重要です。ICO参加者は世界中に存在します。アプリとフォームは、住所や名前などの様々なスタイルに対応可能であることが求められます(例えば、郵便番号に数字が使われない国もあります)。
  4. アプリのフォームは、ターゲットとする国や地域に合わせた複数言語にローカライズする必要があります。
  5. あるとベターなのは、アプリログイン後にユーザーのトークン残高とトークン購入履歴を表示する機能です。ERC20トークンの場合、この機能は web3.js ライブラリでAPIを起動することで実装できます。

備考:イーサリアムの公開ブロックチェーンにおける匿名性により、提供されたイーサリアムアドレスが本当にそのユーザーのものかを確かめる方法がないのがこのKYCの限界と言えます。

2) ウェブサイト

ICOの潜在的な参加者に対して、ウェブサイトはあなたの企業の顔となります。

  1. 見た目、感覚的にも一流のものでなければなりません。ここでも優れたUI/UXデザイナーが必要になります。
  2. ICO期間中、ウェブサイトに短時間で数多くの変更を実装する準備を整えておきましょう。
  3. ホワイトペーパー、ICOアプリの登録ページ、FAQ、企業のSNSページ(Telegram、Facebook、Linkedin、Twitter、YouTube、Reddit、githubなど)など、それぞれへのリンクを掲載しましょう。
  4. ウェブサイトとホワイトペーパーは、ターゲットとしている国や地域によって複数言語にローカライズする必要があります。
  5. あるとベターなのは計算フォームです。ウェブサイトまたはICOアプリに計算フォームを設け、ユーザーがあなたのトークン購入するためにイーサをいくら支払う必要があるのか、また逆の場合はどうかなど計算できるようにします。この計算フォームは、割引やボーナスにも対応し、また最低取引額にも対応する必要があります。

計算機の例

3) カウントダウンタイマー

次回のイベントまでのカウントダウンをするタイマーの設置をお勧めします。例えばプリセールの開始/終了、メインのクラウドセールの開始/終了などです。タイマーは、カウントダウン終了後すぐに自動的に次のイベントにターゲットするよう設定する必要があります。

ライブカウントダウンタイマーの例

4) ライブステータスバー

トークンがいくら売れたか/イーサがいくら集まったかを示すステータスバーの設置をお勧めします。参加者は進捗を確認し、参加するか否かの意思決定時の参考にできます。

ライブステータスバーの例

5) Eメールプラットフォーム

マーケティングのため、ホワイトリストメンバーや登録者などにメールで近況報告やICOの情報などのお知らせを送ります。メールの送信自体はプログラミングの上ではささやかな作業ですが、課題はスパム対策ツールに拒まれないようにすることです。

一斉送信メールに対し、一般的に下記のようなスパム対策が反応します。

  1. あなたが使用するメールサービスプロバイダが、使用を一時停止するかブロックします。
  2. あなたのドメインがブラックリストに追加されます。
  3. メール受取人のプロバイダ、例えばyahoo、gmail、hotmailなどが送信者ID/ドメインをブラックリストに追加し、あなたのメールを迷惑メールフォルダーに移動します。

例えばSendinblue、Mailchimpなどの優れたEメールマーケティングプラットフォームを見つけることをお勧めします。Sendinblueはビジネスサイズにより料金体系が変わるので、私たちのお気に入りです。送信数が数千単位、数万単位の場合はMailchimpよりずっと安く利用できます。

6) スマートコントラクト機能

スマートコントラクトで必要になる全ての条件をリストアップしましょう。

  1. ほとんどの必要条件はビジネス上の決定事項です。覚えておきたいのは、市場の移り変わりやビジネス環境の変化、その他の外的要因によって、多くのビジネス上の決定事項は変わりうるということです。よって柔軟性を持つことを考えると、スマートコントラクトにそうした要素を含めるのは実用的と言えません。バグや脆弱性を避けるため、できるだけ無駄のないスマートコントラクトにする必要があります。
  2. あなたの企業がプリセールやプライベートセール、クラウドセールを行う場合、別々のスマートコントラクトを準備するか、統合された一つのスマートコントラクトにするかを決めましょう。別々のスマートコントラクトを用意する場合は、どれもが共通のトークン契約に基づいている必要があります。
  3. すべての購入条件、例えば割引、ボーナス、最低取引金額、資金調達の上限金額などがスマートコントラクトに全て実装されていることが目標となります。透明性の観点から、スマートコントラクトに実装されている全ての利用条件がホワイトペーパー、ウェブサイトのFAQなどに明確に記載しましょう。現実には、ほとんどのICOでは割引やその時々のセールなどの際に別のアドレスを作っています。
  4. ERC20トークンがアドレス宛に送信されると、すぐにデフォルトでユーザーはそのトークンを別アドレスに送金することができます。つまり、すぐに分散管理型の暗号通貨取引所で取引することもできるのです。あなたの会社がトークンを取引所に上場するまでユーザーに取引をして欲しくない場合には、契約コードによりトークン送金をブロックし、その後でロック解除用のハンドルをユーザーに提供します。ICO参加者に取引所でのトークン売買を許すとICOを台無しにし兼ねないので、トークン送金をブロックすることをお勧めします。

7) スマートコントラクトのテスト

全てのコードを見直し、テストを行うことはスマートコントラクトコードにおいて非常に重要です。バグがある場合、企業や購入者が暗号通貨を失うことになりまねません。スマートコントラクトにおけるバグは、ATMソフトのバグよりもさらに甚大な被害をもたらしかねません。事前に包括的なテストのリストを準備しましょう。また、第三者のコード監査企業によるスマートコントラクトを監査は必須です。その前に、自分たちのチームで包括的なテストを行っておきましょう。

下記のような環境でのテスト実施が考えられます。

  1. 社内用の非公開のイーサリアムブロックチェーンです。マイニングを設定、十分なイーサを生み出したらデプロイを促進し、テスト取引を実行するのです。
  2. コントラクトコードをTestnetでデプロイします。Ropsten Ethereum Faucet.などのソースからは限られた量のイーサを得ることができます。
  3. Homesteadでテストをデプロイする場合、実際のイーサを使用する必要がありますが多額は必要ありません。デプロイに必要なガス出費と、幾つかのコアフローのテスト費用は0.5イーサ以下に収まるはずです。このテストデプロイによる実際のICO契約への障害や混乱を避けるため、異なる契約名でのデプロイや、契約を無効にする方法などを含め、事前に注意事項を抑えて最後の仕上げをしましょう。

8) githubにコードを公開する

多くのブロックチェーンプラットフォームはオープンソースであり、ブロックチェーンやICOコミュニティではオープンソースであることが一般的に期待されています。アイディアを盗まれることやIPなどの懸念がなければ、商品のコードをgithubに公開すると良いでしょう。こうすることで企業に対するコミュニティの信頼をより強固なものにすることができます。

9) FAQ

ウェブサイト及び/もしくはICOアプリに、次の内容を含むFAQを掲載しましょう。

  1. トークン購入について詳細に至るまでユーザーに説明する
  2. トークンの発行総額を確認する方法、また資金調達の上限金額(ハードキャップ)に到達したかを確認する方法
  3. ハードキャップ到達後に取引を試みたら何が起こるか
  4. ハードキャップに到達しなかった場合に何が起こるか
  5. 推奨されるガスの価格設定とガスの上限
  6. ユーザーがトークンの残高を確認する方法
  7. 技術関連の問題に関する問い合わせメールアドレス

10) 安全性

知られている通り、匿名性により一度暗号通貨が誤ったアドレスに送金されたり、ハッキングにより口座から盗まれたりした場合には暗号通貨を取り戻すことはできません。こうした事態を防ぐために幾つかの安全策を設けます。

下記の記事で、このトピックについて詳しく紹介しています。

Security suggestions to mitigate risk while running an ICO

備考:リスト項目のうちいくつかは、ERC20トークンを使ったICOの際にのみ関連します。残りの項目はすべてのICOに当てはまります。

11) 技術サポート Eメールアドレス

ICOアプリやトークン購入の過程で、ユーザーが問題に直面することを前提としておきましょう。

<techsupport@yourcompanydomain.io>のように、技術サポートのみのためのEmailアドレスの設置がお勧めです。ICOのウェブサイトやFAQに掲載しておくと良いでしょう。技術的な問題はEメールを通じて知らせを受けた方が、Telegramなどの公開の場に投稿されるよりも良いはずです。

12) 読み込みの集中によるパンクを防ぐ

ICOのスケジュールやユーザーの手順によって、ウェブサイト及び/またはICOポータルサイトの読み込みが集中してしまうこともあるでしょう。ウェブサイトやポータルが読み込みの集中によりダウンしてしまうと、あなたの会社のブランドを傷つけ、ICO参加者に悪いサインを送ることになります。

未然に防ぐために、下記の方法のうち1つ以上の対策をとっておきましょう。

  1. 可能であれば、ユーザーのとる手順やスケジュールを調整して、アクセスの集中が起きないようにしましょう。
  2. ウェブサーバーやデータベースの設定を調整し、より同時並行作業を可能にし、より多くのトラフィックをコントロールしましょう。
  3. ウェブサイト及びICOポータルに、DDOS攻撃から守るための対策をしましょう。
  4. 該当期間中はハードウエア(CPURAM、チームにおけるノードの数)を増やす

備考:実際のトークン購入時には、イーサリアムの公開ブロッックチェーンノードにトラフィックが大幅に集中する時期が幾つかあり、その読み込みの集中をコントロールするためにすべきことはありません。上記は、アプリやウェブサイトで予測される読み込みの集中に対する事前対策です。

 

abasa
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